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2020年3月31日

“若者支援の「手段」としてのプログラミング③ – 若者支援はITとどう付き合っていくのか


 

行政の取り組み〜日本版O-NET
すべての人が自身のキャリアを考えていくために

 
最後に登壇したのは、厚生労働省・松瀬貴裕さんです。行政の若者支援について紹介してくれました。
導入は、最近のトピックである就職氷河期世代支援プログラムについての説明。そこから、若者の課題・状況を解説してくれます。

「リアリティショックが大きな課題になっています」
イメージした職務や職場環境と現実とのギャップが若者を悩ませています。若者に限らず、求められる職業能力水準が高まっている社会的状況のなか、仕事のことが十分にわからないまま就職するため、早期離職してしまうケースが多いというのが現状です。

そこで、厚労省が進めているのが、日本版O-NETの開発です。アメリカ労働省が運営するインターネット上のデータベースO*netを日本にも作ろうと、厚労省が開発を進め、2020年3月にはリリースされる予定になっています。
 

 
松瀬さんはその全容をいち早く紹介してくれました。約400種以上もの職業について、仕事内容・特徴、就業するための条件、タスク構成、就業者数から労働時間・賃金など、膨大なデータが整理されていて、1分半程度の動画までもが掲載されています。

ゆくゆくは日本版O-NET上で、簡易なRIASEC(適職を知るためのパーソナリティ分類)やGATB(一般職業適性検査)を受けて、その結果をもとに適性職業を発見できるようにしていきたいと考えています。
「すべての人が自発的にキャリアを考えられるポータルサイトにしていきたい」と松瀬さん。日本版O-NETは、若者支援の分野でも大いに利用できるツールとして期待されます。
 

 

「次世代型人材」と「プログラミング思考」。
伝え方や理解において、まだまだ課題が残る。

 
さまざまな事例紹介が終わったあとには、質疑応答がディスカッション形式で行われました。
「次世代型人材はどのくらいの企業で求められているのか?」という質問に対して、アクセンチュアの村重さんは、「20年後、30年後は、大きく社会が変わり、広く次世代型人材が求められるようになる」と答えます。超少子高齢化が進んでいき、労働人口が確実に不足する将来、企業はAIや新しいデジタル技術を使わなければ競争できなくなります。そうしたとき、次世代型人材が必要になるというわけです。

「次世代型人材や経済産業省の社会人基礎力を見ていると、まるで“スーパー人材”を養成しなければいけないような気がしてしまうのかも」とは事務局の山本。ジョブトレITスタッフの平松さんも、「クオンツさんにしても、おそらく土台部分は次世代人材に当てはまっている人を採用しているのではないかと思います。そのレベル感が企業によってちがっているのでは?」と答えました。

 また、若者TECHの課題として、「プログラミング思考」と「プログラミングスキル」が混同されやすいという問題が提示されました。
 事務局の工藤は、「実際に“プログラミングを学びました”と聞くと、“どの言語が使えますか?”という話になってしまう。“プログラミング思考”というスキルが要件になればいい」と言います。

 「今、提供しているコンテンツを終了したからと言って、即就職できるわけではありません」というのは龍治さん。仕事に対して、チームで取り組み、ときにはオンラインでコミュニケーションを取りながら、協同してプロジェクトを実行できるというスキルが求められている社会で、課題解決していく人材を育成するには「プログラミング思考」が大切だと、龍治さんは考えています。

 若者TECHでは、単に「プログラミング講座」というだけでなく、「若者支援とIT」について広く考えていきたいと思っています。私たちとともに考え、ともに実施を行い、さらにブラッシュアップしていく仲間を募集しています。どうぞ、事務局までご連絡ください。

 事務局・工藤からの言葉です。
「テクノロジーから置いて行かれた人たちを包摂していくことに関して、多くの企業、団体の協力を得られています。私たちはどんどん困った人たちのもとに出向いていきたいし、地域の方にもその一翼を担っていただきたい。みなさまのご協力をよろしくお願いいたします」