NEWSお知らせ

2020年3月31日

若者支援の「手段」としてのプログラミング① – 援助職がプログラミング学習を提供する意味

若者支援×プログラミング=プログラマー育成とは限らないワケ

 

「若者にプログラミングを教えて、彼らをプログラマーにするの?」
日本マイクロソフト社と子ども・若者支援に取り組むNPOとの協働事業「若者TECH」について、多くの方から聞かれます。

そこで、2019年12月6日、「若者支援の手段としてプログラミングを使う」ことを、事例をもとにご紹介するカンファレンスを、日本マイクロソフト社において開催しました。
このカンファレンスでは、若者支援者、行政関係者、教育関係者など、約30人が詰めかけ、事例紹介やディスカッションが行われました。その模様をリポートします。

社会の変化によって、求められるスキルが変わるとき、
スキルを得るための機会不平等が起きているのではないか。

 

まずは、日本マイクロソフト社・龍治玲奈さんより、「若者TECH」の目的が語られました。日本マイクロソフト社は、「地球上のすべての人、すべての組織に関わる人たちが、より多くのことを達成する力になる」というミッションを掲げ、CSR活動に積極的で、2010年より若者支援NPOとともに、「若者UP」を行ってきました。

龍治さんは、「若者UPを行っていくなかで見えてきたのは雇用情勢の変化」だと言います。“これからの子どもたちは今は存在しない仕事に就く”と言われてすでに何年も経ち、自動化やAIの導入によって、多くの仕事がこれから失われていくと言われています。

しかし、「デジタル化によって新たな仕事も生まれています」と龍治さん。商店街のお店から肉体労働の現場にまで、ベーシックなITスキルが求められる今、コンピュータサイエンスを学ぶ機会の不平等が起きているのではないか、と、龍治さんは言うのです。

「こうした仕事全体の変化に応じた若者支援を、支援者、雇用する側の企業、プラットフォームとなる行政などと、マルチステイクホルダー連携をして、考えていきたいと思います」
龍治さんは、関係者で話し合う必要性を語ってくれました。

援助職がプログラミング学習を提供することで、
新たな視点が生まれ、若者の成長を促すことができる。

 

続いて登場した、プロジェクト事務局、認定NPO法人育て上げネットの理事長・工藤啓は、「プログラミング経験から取り残される世代を作るわけにはいかない」と、機会提供の必要性を語ります。

小学校・中学校でプログラミングの必修化がはじまり、プログラミングは習いごとの一つとなっています。学習・経験する機会を逸した若い世代に対して、機会を提供すること……それが若者TECHの目的でもあります。「すべての若者支援現場に、ICTを学び、ICT学習を通じて成長する機会をつくり、若者の成長可能性と雇用可能性を最大化する」というのが、若者TECHの目標なのです。

工藤は「このプロジェクトの特徴は、援助職がプログラミング未経験でも実施可能であること」とも言います。
援助職が支援の観点でプログラミング学習を提供していくことは、若者の成長を促すことに直結します。実際の現場では、若者に教えてもらう、わからないことを一緒に考えるという行為を通じて、「支援する→支援されるという一方通行だけではない新たな視点が、援助職に生まれている」と言います。

「2020年には、受講生3500人以上という目標を立てて、プロジェクトを一緒に行うたくさんの仲間をつくっていきたい」と今後の展開を語りました。